お母さん頑張って 

 先日、娘さんに知的障害があり、少しでもよい教育を求めて奮闘されているお母さんからのご相談がありました。

 未来への希望をもって、毎日前向きに生活して欲しいという願いから、可能な居場所を必死に求めておられるご様子でした。ご主人の会社の関係で、地方からの転居に際しても、そうした配慮をいろいろしておられたようです。

 しかし、新しい教育環境の中で、「文句も言わず学校へ通う娘を見るのが切ない。地方にいた時と比べ、学校の友達や先生とは目を合わさないし、別人のようです。暗くなりました。今では家族以外、誰とも話をしなくなったんだなという感じです。このままだと良くない」と、再び引っ越し先を考えておられるとのことでした。
 親として、我慢が足りないとか、ふらふらしているように思われがちですが仕方がないのですと、そのつらいお気持ちを手紙に訴えておられました。

 よいご返事とは思えませんでしたが、私はこんな手紙を書きました。

 「お嬢さんの事、心痛みます。子どもの明るい笑顔が一番です。
 地域によって障害の理解や対応に多少の差はありますが、近年、知的障害だけでなく、発達障害のある子どもへの対応は、ずいぶん変化し、進んできました。
 今年から施行された「障害者差別解消法」なども、その前進に大きく関わっています。確かに今は移行期なのですが、この4月からは積極的な取り組みをしている地域も、私の周りでずいぶん増えてきました。
 子どもへのよい教育環境を求めては、古来より孟母三選のことわざもありますが、子育てはまず安定した家庭生活を中心に考えるべきです。家族がお互いに支え合える環境の中で、学校や先生とのよりよい理解を作り上げることが、お子さんにとって一番の近道だと思います」


 なんだか当たり前のことばかりで、頼りにならないご返事だと読み返して思います。
 しかし、理想の「青い鳥」はいないのかもしれません。私自身の半世紀を振り返って、自分と同じ考えを持つ人や仲間を少しずつ増やしてきたように思います。地域にも、学校にも、無理解な人ばかりではありません。さまざまな親の会などから、情報をもらうことも大切です。

 一方で、こんな思いをしている親御さんのいることを、皆さん、どうぞ理解してください。
 安心して歳をとることのできる社会、年寄りを本当に大切にする社会、それは障害のある人々にとっても全く同じなのです。
 一気でなくても、ほんのわずかずつでも前進させるしぶとさの大切さを学んできた気がします。

2016年8月17日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く