ある先生の悩み

 12月、師走ですね。最近の先生は忙しく一年中走り回っているような気もしますが。

 先日、訪れた区立の中学校で、ある数学の先生から相談されました。
 その中学校では、数学は少人数指導制をとっていて、2クラスを3つのグループ(よく理解しているグループ・標準的に理解しているグループ・理解が遅れているグループ)に再編成し、少人数指導を行っています。

 本人や保護者と相談して、自分でどのグループが良いかを選択するのです。
 最近はこうした形態をとるところをよく見かけます。相談された先生は、この理解が遅れているクラスを担当しています。
 授業は、比例、反比例という単元でした。この一番理解が遅れている15人くらいの少人数クラスなのですが、このクラスでもあまり授業についていっていない生徒が数人目につきました。
 先生の教示に手を挙げて答えている子ども達は、ゆっくりですが丁寧なその授業についていっています。でも掛け算九九がなんとか完成していても、少数の理解が不十分な子どもは比例も、ましてや反比例など理解することはできないようでした。

 先生は、何とかやる気を出させようと、いろいろ工夫していましたが、理解よりも正答を得るために、検算の方法で(ⅹとyをかけると同じ値になる)答えを導き出す裏ワザまで教えていました。
 後で「何とか○を付けてやりたくて」といっていましたが、本当の反比例の意味理解にはなっていません。
 「こんな形だけの授業ではいけないとわかっているのですが」と、悩みを正直に相談されたのです。
 私は、この先生は悩むだけいい先生なのだと思いました。中学の授業についていかせる前に、この生徒がどこまでできているのか、そこから基本を積み上げていかなければ意味がありません。

 他の学校では、こうした理解の遅れているクラスに支援員をつけ、もうひとグループ、授業と離れ、もっと基礎的な段階からやり直すグループを作っている学校もありました。
 特別支援教育は、一人ひとりがどこまでわかっているのかを知らなければ成り立たないということを強く感じた一日でした。

2016年12月 7日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く