自閉症と呼ばれる子ども(1)自閉症の歴史は古く、原因は子どもの発達にある

LD・ADHDに続いて、今回から4回自閉症についてお話します。

自閉症は1943年、なんと70年近くも前に、オーストリア系アメリカ人の医学者で
精神科医のレオ・カナーによって報告された非常に特徴ある子どもの診断症例です。

知的障害(当時は精神薄弱、その後精神遅滞と呼ばれた)とはちがうというということで、
この新しい診断名を多くの保護者の方たちが受け入れました。
奇しくも20年後の1963年に、今度はLDという診断名が登場し、
ブレイクしていった歴史が思い出されます。

自閉症を理解するとき、大切なことが二つあります。
ひとつは、知的障害との重複するケースがかなりあるということです。
医学の診断書にはその70%に中・重度の知的な遅れを伴うと書かれています。
ですから、自閉症の理解にあたっては、自閉症という特徴と
知的な遅れが伴うかどうかという両方の理解が必要なのです。

自閉症の場合、知的に遅れのない自閉症は高機能自閉症、
さらに親御さんの表現を借りると「しゃべる自閉症」ともいわれる
アスペルガー症候群と呼ばれるタイプまでさまざまなものが含まれ、
連続体(スペクトラム)という意味で、自閉症スペクトラム障害(ASD)という名で
一括すべきだという意見も米国の医学界では強くなっています。

自閉症といっても知的に遅れのないものは高機能自閉症と呼ばれます。
みなさんはダスティン・ホフマンが演じた「レインマン」という映画を
ご覧になった方がいませんか。
行動的、対人的には典型的な自閉症なのですが、
こと記憶となると天才的な能力を発揮する、正に高機能自閉症の役を、
トムクルーズ演じる弟を相手にダスティン・ホフマンが見事に演じました。

さて理解する上で大切なもうひとつのことは、その原因です。
かつては親の育て方によって自閉症が起きるといったことが平気で語られました。
現在では、そうした環境的な要因ではなく、子ども自身の発達の仕方に
その原因があるということがわかってきています。

人間の脳は、他の動物とくらべても著しく高度で複雑な発達を遂げており、
それだけに自閉症のような特徴ある発達を遂げることも、
決して珍しくはないということです。
この原因についての理解はとても大切で、
他の発達障害、LDやADHDにも共通しています。

2010年10月 6日 09:48 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。