自閉症と呼ばれる子ども(3)自閉症の指導は理解から始まる

私が長く付きあってきた自閉症の青年がいます。
中国地方に住んでいて、今は施設に入っています。
そこで作業をしながら少しずつお金をためて、
好きな旅行をするのを楽しみにしています。
親御さんがそういう目的をもたせて、
単調になりがちな仕事が続けられるようにプログラムしたのです。

私も彼が好きな東京の放送局めぐりを5年程お付きあいしてきました。
その彼からたくさんのことを学びました。
下の図は、彼を理解し、彼と付きあうために私が考えた虎の巻です。

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よく自閉症の人は何を考えているのかわからないという人がいます。
でも私は逆じゃないかと思います。
たしかに彼らは私たちとはちがった思考法をするようですが、
むしろ率直で、自然で、まっすぐです。
自分にとって安全で、好ましい人にはまちがいなく寄ってきます。
自分の考えていることをあまりにもストレートに表現してしまうので、
そこが際立ってしまいます。
同じことを何度も言いますし、記憶のいい子の場合は、
忘れてほしいことでも忘れません。
それがしつこいという印象につながることもあります。
同じことを飽きずにやることが多いのですが、
それだけに新しいことをやりたがったりはしないかもしれません。
話の裏や深い意味をとったりするのは苦手かもしれません。
家で「お風呂を見てきて」といわれれば
「湯加減を見てきて」ということなのですが、
言葉どおりに捉えてしまうこともありがちです。

自閉症の理解のポイントは、こうした子どもたちに固有の
考え方や行動の仕方に慣れることなのです。
その上で必要なことを一つ一つ粘り強く身につけさせていかなければなりません。
「みんなはできるのに、なぜ君だけこうなの?」
という疑問をもたないことが自閉症理解の第一歩なのです。

自閉症の子どもたちを、自分のペースに巻き込むことはとても大変ですが、
彼らのペースにあわせることは、限られた時間ならできなくはありません。

2010年11月 3日 08:39 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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