ギフテッドの話

これまで代表的な発達障害、LD、ADHD、高機能自閉症(アスペルガー症候群)
と呼ばれる子どもたちのことをお話してきました。

こうした個性豊かな発達障害の特徴は、
インビジブル(目に見えない)な障害と呼ばれることです。
つまりその子どもたちの発達の特徴は、
目や耳や身体にハンディキャップを持つ身体障害や
明らかな知的発達の遅れを特徴とする知的障害とは違って、
その状態が個性なのか、支援を必要とする障害なのかの区別がつきにくく、
部分的に、ときにはだれよりもすぐれた能力や優秀さを示す場合など、
理解がかえって得られにくいのです。

ところで、英語圏では知能などが全体にとても高い子どもたち
(統計的には100人中2~3人程度の割合)のことを「ギフテッド」と呼びます。
神様から高い能力(知能)を贈り物(ギフト)されたという意味です。
優秀児とか天才児とも訳されました。

やがて、全体的な知能だけでなく、ある一部の知能
(知能には、言語的な能力をつかさどる知能とか、
 空間的に物事をとらえる知能とか、
 記憶に関する知能とか、物事を素早く処理する知能とか、
 いくつかの能力が組み合わさっているとされます)
が跳び抜けて高い場合には、才能(タレント)があるという見方もありました。
芸能人のことをタレントといいますが、歌やダンスが跳び抜けて上手で、
それを職業とする才能のある人という意味です。
(下図は、さまざまな知能が職業と関係する説明図)

ところで、知的な面での発達が、全体的に、あるいは部分的に
際立っている子どもたちの場合、その高い能力を活かして、
放っておいても自然に、学問的に専門的に開花していくわけではありません。
たしかに内側には素晴らしい能力を秘めていても、その跳び抜けている能力を
きちんと理解し、豊かな環境のなかで、子どもの興味や関心の広がりとともに、
実際の生きる力として育てることが必要だというのです。
その優れた潜在力がうまく引き出されないと、
いらだちや悶えとなって子ども自身を苦しめたり、
周囲との適応を困難にしたりするケースも少なくありません。

これが、知的な能力が全体的に非常に高い子ども「ギフテッド」や
部分的に際立って高い子ども「タレンテッド」の教育を
意識的、意図的にするべきという主張だったのです。
その頭文字をとって「GATE(Gifted and Talented Education:
門を意味する)」と呼ばれる「ゲート教育」や、
広い意味での「ギフテッド教育」が障害教育と同時に、
特別な教育として大切にされてきました。

実は、発達障害の中にもこうした「ギフテッド」がたくさんいる、
いやかえって多いのではないかとさえいわれます。
次回はその話をしましょう。

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この図は私が講演のために作図したもので、さまざまな知能の側面が
さまざまな専門領域や職業と関係することを説明しています。

2010年12月 1日 10:36 | | コメントを読む (2) | コメントを書く


コメント

初めまして。
5才年長の息子がアスペルガーと診断されています。
来年度の就学にむけ、悩んでいます。
アメリカで教育を受けさせたい場合、留学という形でgateクラスに
入れることは可能でしょうか?
どういった機関に相談すればよいのかわからず、時間ばかりが過ぎていきます。

Posted by: honeybunny | 2011年6月17日 19:59


はじめまして。
ギフテッドについて情報を集めていてここにたどり着きました。
私は成人の高機能発達障害と診断されているのですが、平均的な数値の中で言語理解だけがIQ133と著しく高いため、ある人からギフテッド(タレンテッド)なのではないか、と指摘を受けたからです。
とはいえ、日本ではギフテッドの診断はほぼ受けられないでしょうし、自称したところで失笑されるのがオチでしょう。
また成人しているため、どのようなことに気をつけて生きていけばいいのかもよくわかりません。
今更教育を受け直すわけにも行きませんし……
そもそも自分がギフテッドなのかもよくわからず、白黒つけたい思考が働いてモヤモヤしてしまいます。

成人の相談になってしまってすみません。
読んでくださってありがとうございます。

Posted by: あめの | 2014年7月 9日 08:38


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