心理検査との付き合い方

発達をとらえる心理検査として100年以上もの歴史をもつものとして
知能検査があります。
その国のことばや文化にあわせて作り直され、
その国の子どもによって物差しが作られ(標準化といわれます)ています。

その代表的なものに、世界20カ国以上で標準化され、
最もよく使用されている検査に、ウェクスラー知能検査があります。
ウェクスラー検査にはWPPSI(ウィプシ、幼児用)、WISC(ウィスク、児童生徒用)、
WAIS(ウェイス、成人用)と幼児から90歳まで、広い年齢範囲で使用でき、
科学的で分析力のある検査としてよく知られています。

一般的な知的能力全体を知能(最近は知能検査という言葉を避け、
認知検査という傾向もあります)というのですが、
発達になにか気がかりなところがある場合には、
欠かしてはいけない基本理解のための検査といえるでしょう。

本題です。
こうした知能検査の結果を保護者はどこまで知っておくべきなのでしょうか。
日本では、心理検査を取る心理士の国家資格化が話題になっており、
誰でも検査が扱えたり、結果を解釈したりするわけではなく、
それなりの専門性が強く求められるように変化してきています。
結構、微妙な問題で、保護者が検査結果のコピーを求めた場合、
検査をとった専門機関から断られトラブルになったという例もあります。

カズ先生は、これらの検査を開発してきた専門家としてこう考えます。

◎検査を取った専門家・専門機関は、本人・保護者に対して、
 アセスメントした結果についての報告義務を持つ。

・保護者に結果についてていねいな説明をし、誤解のないように伝えなければならない。
・数値結果をそのまま伝える等の行為は厳に戒めなければならない。

◎必要に応じ、所見(報告)を文書として渡す義務がある。
・主要な結果について、わかりやすく説明したもの
・所見(報告)にあたって、記録用紙をそのままコピーして渡すことは避ける。

カズ先生はWISCなどの検査の刊行委員会の代表をしていますが、
原版の日本版作成にあたっては、こんな約束を交わしています。

「記入済みの記録用紙を含んだ検査用具の機密を守り、適正な使用を守る専門家以外には検査用具を公開しないことは、使用者の責任である。受検者やその親あるいは保護者に検査結果の概要を説明することは妥当であるが、そうした場合も、検査としてのWISC-IVのセキュリティや妥当性、価値を損ないかねないので、検査問題や記録用紙、その他の検査用具を開示したり複写したりしてはならない。(中略)この要件の唯一の例外は,資格をもつ別の専門家に受検者の記録を伝達することを目的とした記入済み記録用紙の複写である。」

というわけで、よりよい結果を求めるために、検査作ったり、使ったりする場合にも、
厳しい倫理規定があることをご理解いただきたいのです。

2011年10月19日 09:58 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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