入学式

4月と言えば桜、そして入学式です。
今年は寒い日が多く、例年、東京では入学式に桜が散ってしまわないか
はらはらすることが多かったのですが、今年は間に合ったようです。

ところで、小学校の入学というのは、子どもの成長の中では
最初の門出という意味で大きな節目です。
もちろん幼稚園や保育所だって、入園式もあれば卒園式もあります。
でも、義務教育のスタートという意味で、本人はもとより
親御さんの方も大きな感慨と緊張があることと思います。

発達障害、つまりLD、ADHD、自閉症(ASD)などといった
診断名のついたお子さんだけでなく、その疑い(サスペクトと呼ばれますが)を
感じておられる場合などは、どう教室の環境に適応していくか、
みんなの中に溶け込んでいけるか、楽しみよりも、不安が先立つものです。

支援教育もだんだん広がってきており、通常の学級のなかでも
発達障害の理解が深まってきてはいますが、親御さんの目から見ると
まだまだ行きわたっていない感触をもたれることのほうが多いようです。
そうした親の感じる不安は、敏感に子どもに伝わってしまうので困ります。

以前にもお話ししましたが、「がんばって!」という励ましの言葉を
あまり繰り返すと、かえって緊張をいやがうえにも高めてしまいがちです。
お母さんのニコニコした顔と「帰ってきたらたくさんお話ししてね!」という、
どっしりした待ちの姿が一番安堵感を与えると思います。

就学前と就学後の環境は大きく変わります。
本人にとっては、大人が想像している以上であることは間違いありません。
うれしいことや楽しいことばかりでなく、つらいことや
経験したことのない我慢を強いられることだってあります。

学校から帰ってきた時、まさか「何かいやなことはなかった?」
「誰かいじめた?」なんて聞きませんよね。
悲喜こもごものなかから、目を輝かせて、楽しかった話をするお子さんは、
お母さんはこんな話を喜ぶんだということがわかってきます。
それが自信につながってもいきます。

もっとも、そんな話の合間に、「でもこんなことがあったよ」と
つらかった体験もちょっぴりでてくるかもしれません。
「そう、よくがんばったわね」とか、「こんな風にするとよかったね」といった対応は、
きっとお子さんの社会的なスキルのレパートリーを増やすきっかけとなります。

何でも話せる環境というのは、話すことが楽しい、話すと気持がすっきりする
といった自然な積み重ねの中で育ってくるものです。
決して聞き出すことではありません。
発達障害系のお子さんは、どうしても注意されたり、叱られたり、
いじめではなくても仲間外れや不適応感をもちやすいので、
その点では家庭でもこうしたていねいな受けとめが欠かせないわけです。

この季節になると、いくつになっても自分が初めて学校に行った日々の
あの緊張感、そして家で待っている母親の胸に飛び込んでいった時の安堵感を
思い出すのではないでしょうか。
お母さんは子どもにとって、絶対的な「安全基地」なのです。
そうした安全基地があればこそ、お子さんは明日もまた
元気に学校に飛び出していけるのです。

2012年4月 4日 08:28 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

初めまして。
書字障害を抱える息子(現在4年生)の母です。

息子の発達障害が見つかって約1年半。
色んなことがありました。

今息子のことをよく理解しているのは、精神科医でもなく、心理士でもなく、母である私です。

全く分からなかった息子の世界が、今は手にとるようにわかります。
どれだけ頑張って成し得たことなのか・・・
ちょっとしたことでも、涙を浮かべて喜んでしまいます(笑)

今年度から4年生。
ますます息子の困難さが増すことかと思いますが、息子の底力を信じ、サポートしていこうと思っています。

お忙しいかと思いますが、お体に気をつけて、困難さを抱える子どもたちへの活動を宜しくお願い致します。

これからも記事を楽しみにしております。

Posted by: ふね | 2012年4月 7日 18:17


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