発達相談から(3) 発達障害か言語環境の問題か

海外に在住されているお母さんからのご質問です。

『海外在住ですが、日本で言うと幼稚園の年長組みで違いを指摘され、
 学校内の検査では引っかからず、専門家の検査では特別支援が必要との事でした。
 言葉の遅れがかなり目立つのに、「多言語環境」のせいにされ、
 言語の支援が下されませんでした。(中略)
 検査では引っかからないがクラス内での期待に添えない子どもには
 支援がないのかと質問したところ、一週間後に、多少の支援があり、
 してくれるとの返事を頂くことが出来ました。
 それを踏まえて、同意書にサインをしました。
 言語その他は、学校で支援がない分、
 高額なセラピーでまかなおうと思っていましたが、
 余裕がなく悲しい気持ちになります。
 また、このようなセラピーにエネルギーを掛けるよりも、
 子供の成長を普段の生活を通して見守った方が良いのではないかとも思います。
 先生はどう思われるでしょうか。』

発達障害は障害としては比較的軽度で、見えにくい障害といわれるのですが、
最近は、国際化の進む中、帰国子女のなかにも
現地で発達障害として支援を受けてきた子どもさんも時折見かけます。
また、外国籍の日本在住の子どもの公教育での支援も各地で増えてきています。
特にこうした子どもは、知的発達に遅れはないのに、
抽象的思考などの言語面での遅れが目立つ場合もあり、発達障害ではないものの、
学校での困難や課題はかなり発達障害に近い子どももいます。

子どもの教育相談で大切なことは、どのようなケースでも
診断名と指導方策が直接結びついていると考えるのではなく、
それぞれの子どもをどのように理解し、その困難に対して
どのような方策が指導効果を挙げるのかをプログラムすることなのです。
診断名もそうしたことを理解する上での一つの枠組みでしかありません。

わが国では障害名が先行し、それによってあたかも特別な指導方法が
準備されているかのような誤解が多いと思います。
まず私たちはさまざまな指導方法を豊かに準備し、
それによって効果が期待できる子どもたちはどの子どもなのかを判断するのです。
診断名や知的な発達水準などはその時の一つの情報として利用するものです。

例を挙げると、「書いたものに対する障害(printing disabilities)」
という言葉があります。
つまり、「印刷されたものを読んだり理解したりする際に困難をもつ障害」
という意味なのですが、弱視の方も、
LDなどの読み障害の方も似た方法で指導効果を上げることが可能なのです。
こうしたしなやかな子ども理解、障害理解がこれからの課題といわれています。

2012年5月30日 09:40 | | コメントを読む (3) | コメントを書く


コメント

実際のところ、教育現場ではその子の特性を理解するところまで、ようやくきているように感じています。

そんな中で、「自分も出来るようになりたい!」といった意欲が出てきています。

しかしながら、その先は・・・?

どうやったらこの子たちが理解しやすくなるのか・・・
その特別な学習方法は・・・?
どういったスキルを身につけさせねばならないのかの先を見通したプログラムは・・・?

特別支援コーディネーターの先生ご自身がわかっていないですし、特別支援教育の意味を取り違えておられる方が大勢います。

学校の体制そのものに問題がある場合もありますが、学校の先生そのものの忙しさに目を見張ることも多いです。

教育現場そのものの在り様というか・・・
先生の負担が大きすぎるような・・・
そんな気がしてなりません。

先生自身にもゆとりを・・・!!

このようなゆとりある環境のもとでないと、このような特別支援教育は定着や普及は難しいように感じています。

先生はどのようなお考えで取り組んでおられますか・・・?

Posted by: ふね | 2012年6月 6日 22:23


先生、こんにちは。

日本の実家に家族で帰省しておりました。帰ってきて、お返事を見たときは大変嬉しかったです。どうもありがとうございました。

息子だけが特別なケースではないと分かり、少し安心しました。抽象的な事柄の理解が難しいのは当てはまります。未だに「ただいま」と「おかえり」をどのような場面で使うのか区別が出来ません。小児科のお医者様からは、言葉の遅れは色々なLDと関係している場合が多いので注意するように言われております。

個人指導をすると、一番伸びるようなので、学校では個人指導の人を週に何回か付けてもらって先学期は乗り切りました。学童でも、自信が落ちないようにとセラピーを設けてくださったり、丁寧に対応していただきました。学校側、また、先生の側でも大変理解があり、幸運に思っております。色々な人種や生活レベルの人が雑多にいる地域のせいか、個性や違いといったことに大変寛容に対応していただけたのではないかとも思っております。

今は夏休み中で、セラピーと楽しいサマースクールで思い切り遊んできて、充電中です。ADHDの傾向も見られるので、遊びの延長上での"Accidental Learning"を親は期待しております。家庭学習も、子供に合った方法を探りながら、毎日少しずつさせています。空手は同年代の子供よりも上手く出来るようなので、励ましてさせています。

高校まで話せなかった友人がおり、彼は物理や数学が大変得意です。今はエンジニアとして立派に自立しております。子供の得意分野を伸ばしながら、親として明るく子供と共に成長していきたいです。

お返事、本当にどうもありがとうございました。

Posted by: AM | 2012年6月21日 03:01


始めまして。息子にLDがあるのではと思い、検索していましたら、こちらのサイトにたどり着きました。

アメリカ在住です。長男(7歳)について相談させてください。

 7歳の長男はハイハイを始めたときからエネルギッシュで、寝てるか、走ってるかという子です。
 5歳まで、机に5分以上つくということができませんでした。幼稚園(6歳)の時点でアルファベットの識別ができず、数字も10までかぞえれませんでした。言語の遅れも大きく、7歳で、昼食と夕食が言葉上の区別がつきません。頭での理解はしているようで、本の中の難しい単語の意味はわかっているようですが、言葉としてでてきません。”STに3歳のときに検査してもらいましたが、追いつくでしょうといわれ、幼稚園からは、(我が家はバイリンガル教育をしていませんのに)ESLのクラスへ入れられました。ESLのスケールでは5段階評価で下から2番目です。
 学校で、攻撃的ではありませんが、ルールに添えないという問題行動がでているのと、予測できないことにあたると、パニックをおこして立ちすくんでみたり、泣いたりします。校長先生の進めで、スクールカウンセラーと、タウンカウンセラーにかかっていますが、自分の考えを表現することが苦手なので、カウンセリングにつれていっても、話をしないそうです。
  1年生(7歳)になり、算数は飛躍的に伸び、今は3年生程度のものをするようになりました。1年前に10数えれなかったのがうそのようです。1年生の成績は4段階評価で英語はほとんどの項目で2、その他の科目はすべて4といった明らかなさが見られます。ADHDかLDか何かがあると重い、小児科医にも、学校の先生にも相談しましたが、年齢的に正しい検査がまだできないであろう事。たぶん、ADHDではないと思うし、知能の問題がない(むしろ高い)ので、薬を飲まないと授業に参加できないというレベルでもないといわれました。親の私は、なにかが普通の子と違う、、とおもうのですが、7歳という年齢は検査をするにはまだ早いのでしょうか?私の心配のしすぎでしょうか?

Posted by: tane | 2012年7月 6日 09:14


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