発達の障害と親子関係

最近保護者の方からのご相談が多く寄せられます。
読んでいてどうしても早く答えてあげなくてはと思う
内容のものを優先したいと思います。
ご質問は個人的なものですので、十分配慮し、要約してあります。

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上野先生 初めまして。
中学生の息子についてご相談させていただきます。
息子は幼少より癇癪(かんしゃく)が多く、ひらがなやカタカナを覚えるのに本当に苦労しました。
「もしかして・・・」と感じながら 小学校時代は毎日 私が勉強を2時間以上みて何とかみんなと同じ程度を維持していました。
しかし 中学になり反抗期も重なり 私と一緒に勉強をするのを嫌がり(これは自我の目覚めでかまわないのですが)宿題も忘れがち プリントの紛失 保護者への連絡忘れ 体育があればジャージをなくし 水泳があればゴーグル 消しゴムや鉛筆をいつも私が入れてあげているのに帰宅すれば筆箱がカラ。
小学校時代から 忘れ物が多く、先生に年中注意されていました。
息子は物心つく頃から 不機嫌で自分の興味のあるものしか関心がなく思い通りにならなければ スーパーの床に大の字になって暴れる子どもでした。
ゲームをしたいとゴネては一回だけという約束を守らず 負けたら大の字 周囲から白い目と同情の空気。縄跳びが苦手 身体のバランスが悪いようです。
言葉が遅く3歳くらいから保育園でもしゃべれるようになったものの 語句が少なく今でも 話していて内容が単調なのに驚きます。
・・・(中略)・・・
息子と同じ部屋にいるのが苦痛です。
いつ怒鳴り出すか 不機嫌になるか きっと私の胸が悲鳴をあげているんだと思います。
学習障害児と一緒に暮らしていて 楽しい事ってあるのでしょうか?
ゲーム機の使用についての約束として 深夜やらないと決めても 息子は何度も何度も裏切りました。
電気をつけっ放しにして寝ているのですぐわかります。
ごめんと言いますが ケロリとまた 破ります。
約束やルールを決めて 彼の癇癪で反故にされたり。親も人間です。
それでも信じてあげるのが親だと言うのは綺麗事です。
ウンザリします。
息子には どうしてこうなったかという反省はなく 失敗に対して責任転嫁と癇癪 もしくはケロリと忘れる。
中学の各教科の先生は 怠け者と思っていらっしゃるようです。
すみません 長くなりました。家庭が暗くて楽しくなくて 息子が家にいると思うだけで仕事場から帰りたくない 息子を愛してない罪の意識が私を苦しめます。

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お母さん、ご相談のお手紙を読んでいて、お母さんのこれまでの思い、がんばり、
挫折、いら立ち、願い、どんどん胸の中に流れ込んできました。
そしてあなたの正直な気持ちも。

親学などと称して、親にあれこれ周りから一見立派な意見をする人はいますが、
多くの場合、いろいろ言われる親御さんは誰よりも深く、
だれよりも懸命に子どもと接しているものです。
多くのことをここに書くことはできませんが、私も率直に述べてみたいと思います。

リズムのある文体を読んでいるとあなたの理性的な姿が目に浮かびます。
そしていろいろなことを乗り越えてきつつも、これからのことを考えると
ちょっと疲れてしまっていることも。

わたしは息子さん自身もお母さんの期待に応えたいと思って、
それがうまくいかないことに相当疲れているのではと心配しています。
他人は嘘をついたり、傷付けたり、裏切ればどんどん離れていきます。
母子だからこそ、そんな日常が繰り返せるのです。
お母さんに認められたい、上手くやりたい、ちゃんとやりたい・・・
でも、それがどうしてもうまくいかないとき、
思いがけない言葉や反応、行動になるのでしょうね。
おまけに反抗期にも入ってきて、家だけでなく、
学校や友達ともたくさんの軋轢(あつれき)を抱えているかもしれません。

順調に育っておられるお姉さんがおられるようですが、
きっと、お姉ちゃんと比較しないで彼のよいところを認めてこられたと思います。
同性ですとどうしても比較しがちになりますが、そのことはよかったですね。

息子さんのだらしのなさや期待通りに行動しないのは、
発達障害がある子どもによく見られる行動かもしれません。
親の物差しではなく、子どもの物差しで測ってみたことはありますか。
周りとの比較ではなく、長い目で見たら、ここは成長したなというそうした見方です。
今、彼はこんな自分でもいる場所はこの家なんだと安心したいのではないでしょうか。
でも親としてどうしても守ってほしいこともあるでしょう。
できるだけ絞り込んで、これだけはという最少の約束をわかりやすく伝えてください。
あれこれは無理です。

もうひとつ。あなたは率直な方です。
親はかくあるべしなんていう言葉どおりに、自分を偽ることは
かえって心の負担を重くします。
そんな正直な悩みを吐き出すことは決していけないことではありません。
お母さんが自分の気持ちを正直にさらけ出す場面も必要です。
でも息子さんにぶつけるのはよくないでしょうね。
彼にはそれを受けとめる余裕はありませんから。
お姉ちゃんに「ママはこんなに苦しいの」といっても
そろそろ受けとめてくれる年頃ではないでしょうか。
友達もいいけれど、人の不幸は蜜の味なんて言葉もありますから、選ばなければね。
一番よいのは専門的にトレーニングされたカウンセラーです。
こうした方にもピンからキリまであるようですが、
私は、お母さん自身の心のケアが今、必要だと思います。
人間は悩みを吐き出すことができれば、50%以上回復するものです。
吐き出すことは、あなたの言葉をまねれば、正直な行為なのです。

カズ先生より

2012年10月 3日 09:21 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

お母さんのお気持ちとてもよくわかります。私も同じ道を通ってきました。「息子を愛していない母なのだ」と随分自分を責めて悩みました。それを救って支えてくださったのが専門家であり、親の会で出会った同じ悩みを持つ気の合う友人です。
 成人した発達障害の息子を持つ先輩として応援したいと思い、コメントさせていただきました。

Posted by: k太郎の母 | 2012年10月 3日 11:26


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