教室の中の子どもたち(1)

4月から、都内のいくつかの地域で専門家としての巡回相談や、
心理専門職の方たちとのおつきあいが始まっています。
これまでも全国の小、中、高校、特別支援学校など、
さまざまな場所で支援のあり方を見たり、一緒に考えてきたりしています。
それぞれの地域での支援のモデルづくりは10年前とはずいぶん変わってきました。
しかし、どこに行っても耳にするのは、「この地域は遅れている」という言葉です。
でもそれは前に進みたいという気持ちの表れでもあるのです。

私が学校を回って、最初に気になるのはクラスの子どもの数です。
20数人のクラスもあれば、3年生以上になると38人というクラスもあり、
まるで林と森の違いがあります。
支援員が入っているクラスもあれば、クラスを分けて指導する
少人数指導を入れている地域もあります。

最近は、都市部などでは小学校と中学校を一緒にした小中一貫校を作ったり、
学校選択制といって地域の学校を保護者が選ぶことのできる制度を
とったりしているところもあります。
いろいろな変化の波が教育界にもやってきているということです。

そうした中で必死に頑張っている先生とお話しをしていると、
「もう一人自分がいれば、もっと手厚く子どもをみることができるのに」
という本音を聞くことがあります。
孫悟空ではないので、髪の毛を抜いてフッと吹けば、
分身が出てくるわけではありません。
子どもたちにとってよい教育環境は、先生が教えやすい教育環境でもあるのです。

聞くところでは、イタリアなどでは発達障害などのある子どもは
1人ではなく4人と数えると聞いたことがあります。
せめて2人と数えることができれば、ずいぶん改善されるのにと思います。
落ちこぼさない学習という観点からは、
よい教育の第一歩は20人前後のクラス環境でしょう。

今国会で「障害差別解消法」という法律が上程され審議されています。
障害のある人々が障害を理由に差別されることなく、
一緒に生活していくことができるようにという願いを込めた法律です。
そうした方々の願いを実現するには、よい支援システムを同時に考えていかなければ
「絵に描いた餅」になってしまいます。

「リソース(資源)」という言葉があります。
リソースには人も含まれます。
学校にそうした支援を可能にするリソースがゆたかにあれば、
先生も子どもたちも手厚くいろいろな関わりが可能になります。
同時に、そうした支援がどのようなよい効果をもたらしていくかを
きちんと見る目があれば、さらによりよく成熟していきます。

ここ5年から10年、特別支援教育は新しいステージを迎えつつあると思います。
『利用しやすいリソースと、効果のあるリソース』がこれからの合言葉でしょうか。

2013年6月12日 08:58 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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