障害の種別から、ニーズを優先させる考え方へ

私が代表を務めている日本LD学会ができて20年がたちました。
いまは8,000人近い会員がいる大きな学会になったのですが、私自身、この学会の代表を務めてきた20年間を振り返って、LDという子どもたちからたくさんのことを教えられた気がします。

*LDはインビジブルな(見えない)障害であること
*LDは障害と健常の架け橋(かけはし)となること
*障害はスペクトラム(連続体)で考えなければいけないこと
*支援やサービスは利用しやすく、効果がなければその名に値しないこと

LD以外にも、ADHD、高機能自閉症(アスペルガー症候群を含む)など、発達障害と呼ばれる個性豊かな子どもたちが目立ってきています。
この子どもたちの特徴は、明らかな身体障害や知的障害の子どもたちに比べ、学習や行動面でも、その遅れや偏りが分かりにくいということです。
見方を変えれば、一般の子どもたちとの連続性が高いので、「障害」の有無で2種類の人間が存在するような偏見を持つ社会では、その架け橋になりうるということです。

この5月に発表された、米国の新しい医学の診断書(DSM-5)では、自閉症に関連する診断が大きく変化しました。
広範性発達障害(PDD)という診断名は使わなくなり、自閉症スペクトラムという包括的な診断名の中に、アスペルガー障害も含まれるようです。
またADHDなどの場合、これまではその診断名がつくと他の診断名がつけられなかったのですが、そうした除外基準がなくなり、自閉症スペクトラムなどとの重複が認められるようになり、より現実的な診断が可能になったといわれます。

大きく進展してきた(特別)支援教育でも、こうした診断によってさまざまな支援が充実していくわけですが、大切なことは、診断名が優先するのではなく、目の前の子どもが、環境の中で、何に困り、どのような支援やサービスを求めているかを明らかにすることなのです。
これは障害の種別からニーズを優先させる考えかたへの転換といわれます。

そうした支援やサービスが、子どもや保護者、先生方にとっても利用しやすく、また、実際にその支援やサービスが子どもたちの行動改善など、具体的に有効であることが目に見えなければ意味がないのです。

2013年9月18日 08:43 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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