知能検査は必要なくなるのか

昨年の5月、アメリカの精神医学の新しい診断基準「DSM-5(ディー・エス・エム・ファイブ)」が刊行されました。
世界的な医学診断基準で、最終的には法律用語にも影響します。

私たちにとって大切なのは、ADHDや自閉症(自閉症スペクトラム症群:ASD)の場合、主要なひとつの診断名がつくと他の診断名を記載しないことが多かったのですが、これからは併用することが認められたことです。
このことは一つの診断名がつくと同じ状態と誤解することもあり、同じ病名でもいろいろな姿のあることから現実にあった変更です。

もう一つは、知的障害をIQ(知能指数)70という基準で診断したり、その障害の重さの程度を、IQという数字だけで決めることをやめたことです。
そのことからもう知能検査は必要ないのかという人がいるので記事にしました。

近年、人間の障害は、その個人の特性とその人が生活をする環境とのあり方で重くもなるし軽くもなるという考え方が主流になっています。
軽い障害の人の場合、受け入れのよい環境のなかでうまく適応していれば、障害は目立たず、障害があると意識しなくても生きていけます。

知能検査でIQが60台(これまでは軽度の知的障害)でも、社会的適応がうまくいっていれば知的障害という名前も必要ありません。
つまり、IQだけではなく環境のなかでの適応状態が大切なのです。

知的発達の状態を示すIQは必要がないのではなく、その人を理解する一部というか、一つの指標と考えるということです。
人間の価値を決めるような絶対的なものではないということを教えているのです。

カズ先生がいつも言っている、「障害があって(障害という言葉が誤解を招くなら、どんな個性の人)も安心して生きていける社会」こそ、私たちみんなが求めている社会なのです。

2014年1月22日 09:09 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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