「障害の権利条約」の批准とこれからの特別支援教育

平成25年度は、実は障害のある人々にとっては歴史的な転換点となった年です。
歴史というのは後になってから気づくことが多いものですが。

平成18年12月、国連総会において、「障害者の権利に関する条約」が採択され、平成20年5月に発効しました。
日本も、平成19年9月に同条約に署名するとともに、同条約の批准(実際に国内で実効させる)に向けて、平成23年の障害者基本法の一部改正をきっかけに、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)の制定や障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)の制定等、障害者に関連するさまざまな諸制度の整備を進めてきました。

その最後のハードルともいうべき「障害者差別解消法」法律が、昨年6月超党派で国会を通過し、この4月から施行されます。
そして、昨年12月には「障害者の権利条約」が国会を通り、本年1月批准(2月実効)と一気に進みました。
ニュースでも取り上げられましたが、あまり気づかれなかったかもしれません。
でも歴史は大きく動いたのです。  

平成32(2020)年に、東京でのオリンピック競技大会の開催が決定し大きく話題となりましたが、オリンピックと同時にパラリンピック(パラリンピックは障害者を対象とした、もうひとつのオリンピック)が、オリンピック終了直後に同じ場所で開催されます。
今回のソチで開催された冬季オリンピックでも日本選手が金メダルを獲るなど大活躍しましたが、こうした障害のある方を大切にする流れも、いわば世界的な動向と言えるのです。

文部科学省も、中央教育審議会(初等中等教育分科会)において、今後のわが国の特別支援教育の在り方などについての議論を進め、平成24年7月に報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」をとりまとめました。

文部科学省は、この報告を踏まえながら、昨年9月に、これまでの就学基準を見直す、学校教育法施行令の一部を改正し、施行しました。
このニュースなどは、教育関係者でもほんの一部の方しか関心を持たれなかったと思いますが、よく読むと大きな変化の到来を感じます。
固い話が続いたので、思い切りやさしくお話ししますと、就学にあたって障害についての基準に合ったお子さんは、原則、特別支援学校に就学するという仕組みを改め、障害の状態などを踏まえた総合的な観点から就学先を決定するという仕組みへの改正です。
就学先としては、通常の学校の特別支援学級などを利用するお子さんもいますが、障害の状態やその変化を踏まえ、保護者や専門家からの意見聴取の機会を拡大し、総合的な観点から合意し、判断していくことが強調されています。(まだ固いですね)

今、学校では、「インクルーシブ教育」と「合理的配慮」という2つの言葉を、どのように理解し、実現していくかが大きな課題となっています。
学校関係者だけでなく、保護者の方々の理解のなかで、こうした考えが「成熟」していくことを期待します。

2014年4月 2日 08:50 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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