ある出会い

今月、佐賀県武雄市で教育委員会とPTAの合同による一般の保護者向けの研修会講演がありました。
武雄市は人口五万人程度の典型的な地方都市ですが、特別支援教育については大変熱心な地域で、その理解と推進を一般の保護者にも広げたいという意図で開催されました。
武雄市は昨年の教員研修会に続き2度目でしたが、教育長はじめ先生方の前向きの姿勢を本当にこころ強く感じました。

今回、福岡の保護者の方で、私の話を聴きたく、この講演に参加してもよいかとの許可を求める申し出のあったことを主催者から聞いていました。
講演の最後に、Q&Aの時間を設けたのですが、そのなかにとても的確な心に残る質問があったので、ここでご紹介します。
後から知ったのですが、その福岡から駆けつけてくださった保護者の方からの質問でした。
縁とは不思議なもので、帰りの武雄温泉から福岡までの列車で再会し、帰路1時間ほどお話しながら帰りました。

最初の質問は、小学校3年生になる息子さんの学習の具体的なつまずきに対するアプローチについてでした。
私はかねがね、子どもの学力のつまずきや対人関係の問題を前にしたときには、(1)知能や発達など心理アセスメントからの理解、(2)医学的立場からの理解、(3)家庭環境などの社会・福祉的立場からの理解をしたいと思っています。
この方の場合、学校での専門的理解のある先生との出会いから、子どもさんの状態を親として正確に把握し、可能で有効な支援を学校と相談しながら進めていこうとする、また家庭でも協力できることはぜひしたいという大変理解の進んだ親御さんでした。

支援が必要かどうかといった最初の理解から、もう一歩進んだ、どのような支援と協力が考えられるかという段階でしたので、私としては大変話しやすく、伝わりを感じました。

二つ目の質問は、本人や周りの子どもや保護者への告知についてでした。
本人が自分の状態に悶えや疑問を感じ始めたら、それは伝えるタイミングであること。
「なんでもない」という答えではなく、また専門用語など使わずに、長所や短所、個性という具体的な例で話すことをお勧めしました。
周囲の子どもには、その子に対して何でも理解と配慮を求めるのではなく、必要なこと、必要なときにするメリハリが大切なこと、それが子どもたち同士のなかでも広がることが大切であることを伝えました。

最後の質問は、こうした子どもたちの理解と対応が先行している欧米の状態から見て、わが国のこれからの課題でした。
私は、障害という特別な見方でなく、理解と支援が必要な個性という捉え方。
自立と社会参加をゴールにしての天職をさがすという長期的な視野の大切さをお話ししました。
こう書くとなんだか抽象的で呆けてる気もしますが、その子どもさんの育ちをよく見て、その都度、知恵を集めて乗り越えていくということなのです。

博多でお別れする時、このお母さんならきっとご夫婦で、子育てから楽しみを見つけながら、お子さんもきっとよい育ちをされるだろうと思った次第です。

2014年11月12日 10:25 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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