最近の読書から

蝋梅(ろうばい)のほのかな香り、梅のつぼみも膨らみ、寒中ですが春がそこまで来ている気配がします。

地方に講演に行くこともありますが、近隣の学校の専門委員としての巡回や委員会活動を中心に、支援の必要な子どもたちの実態に触れながら時を過ごしています。
晴耕雨読という言葉がありますが、まさにそうした充実した時間を過ごしています。
ところで最近の読書からのお話です。

ジョン・アービングの言葉だそうですが、「映画の脚本を書くのは浴槽で泳ぐようなもので、小説を書くのは大海を泳ぐようなもの」と元新聞記者で、『マッドマックス2』や『クリフハンガー』など、わが国でも知られた映画の脚本を手がけたテリー・ヘイズが、渾身の長編小説『ピルグリム』(ハヤカワ文庫)のあとがきで述べています。
9・11の後、世界を大混乱に陥れる可能性のある細菌テロを、大統領命令で阻止する一人の元諜報員の物語ですが、その壮大さは007などをはるかに凌駕する骨太な小説です。
キーになるのは独りのダウン症の少年への愛なのですが、これから読む人のためにそれ以上はお話ししません。
この「ピルグリム」という言葉は、「巡礼者」という意味ですが、原題は「I am PILGRIM」。
今、イスラム国関係で「I am KENJI」が、私たち多くの人々の心にあり、その無事を願っているのですが、この言葉の符合に心を痛めています。

現代作家は、その世相の最先端を切り取る力があると常々思っています。
宮部みゆき、石田衣良、村上春樹、白石一文・・・そうした人々の小説のなかにLDやADHDなど発達障害のある人々が登場します。
スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム』に登場するヒロイン、リスベット・サランデルは間違いなく視覚認知と記憶に秀でたLDだと私は読んでいて思いました。

最後に、最近読んだ河村元気の『世界から猫が消えたなら』(マガジンハウス)は、たまたま本屋で、猫好きの私がその題名が気になって手にした本についてひとこと。
河村元気は、私の息子が密かに憧れている人物のひとりで、映画プロデューサーで作家・絵本作家。
この本は鋭く現代人にとって何が人生で大切なのかを教えてくれる。

電車に乗って、ふと見渡すと10人に6,7人は携帯をいじっている。
「歩きスマホ」をしながら、現代の二宮金次郎も演じている。
そんな私たちだからこそ是非読んでほしい一冊です。

2015年2月 4日 08:58 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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