ネット依存について

子どもへの支援や援助介入の鍵を探る時、「何か好きなこと、得意なこと、夢中になることはありませんか」という質問を必ずするようにしています。

どうしても欠点や問題ばかりが目立ちやすいのですが、いつもお話しするように「Learning Differences(学び方の異なる子ども)」という理解はとても大切です。
成長のなかで、勉強面でも好きな部分、あるいは勉強以外でも好きなこと、得意なことがあるとすれば、それは子ども自身が学び取ったことですから、そこに指導の鍵が隠されていることがあるのです。

そうした質問に対して、よく返ってくるのが「ゲームだけはあきません」。
「勉強しないで一日中やっています」「禁止するにはどうしたらいいのですか」というご相談も珍しくありません。
好きこそものの上手とは言っても、ゲームプログラマーに誰でもなれるわけではないし・・・

人に依存する人もいれば、ものに依存する人もいます。
なかには、趣味に依存する人もいるのです。
それは個性にも似て、一つ一つにいいとか悪いとかあまり言わないほうがよいと思います。
自分でちゃんとコントロールできていれば何の問題もないのですが、年じゅうそればかり、自分ではまったくコントロールできなくなってしまうと依存症と呼ばれたりします。

子どもがはまりやすいゲームはPC、ゲーム専用機、スマホとさまざまです。
ゲーム依存症、あるいはゲーム中毒を親は心配します。
ゲームに没頭し過ぎて生活時間が乱れ、睡眠時間の不足や疲労から日常の生活に悪影響がでてくる場合もあります。
ゲームだけでなく、スマホでのSNSに没頭したり、インターネット・サーフィンで絶えず情報を探すといったことに時間を費やす人々も増えています。

そのこと自体は、現代文明の変化でもありますので、会話やコミュニケーション手段、あるいは新しい情報検索としての新しい姿と理解していかなければなりません。
大切なのは、生活のなかでどうコントロールしていくかなのです。

子どもの場合、そうしたコントロール力をつけていくことは特に大切です。
なかでも対人的な関わりの無い、一方的なゲームへの没頭はやはりその依存性が心配になります。

一般に、生活に楽しい経験や充実感がないとそうした一人遊びが習慣化しやすいと思います。
ここはただ禁止したり、抑制したりする前に、そうした孤独な状況に追い込まれている環境について考えることも必要です。
見方を替えれば、友だちや家族との楽しい交流や経験があれば、やりっぱなしとか、コントロールがきかないといった事態は減ります。

(1)友達との交流がある、(2)家族との交流がある、ならば、禁止ではなく時間を決めて認めてもいいと思います。
「勉強もしないで」とよく言われますが、勉強が過度の負担だったり、分からないままに押し付けられたりしていませんか。
やりがいのある、わかる勉強をした後に、ゲームを楽しむ時間があるのは決して悪いことではありません。
順序も大切ですね。

こうして答えていると、当たり前のことを言っているようでちょっとむなしくなります。
もっとも重要なのは、子どもの行動をよく理解することが先で、心の充実感や隙間の有無を考えなければ、ゲームだけを禁止しても本当の解決はないといいたいのです。

2015年3月18日 09:40 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

 15歳の少年が祖母と母親を殺めてしまう事件が起きました。
この少年が今どんなに後悔をしているのかと思うと、人ごとではありません。明日は我が身かもしれないと思う親は多いのではないかと思います。私自身もこの2年その不安との戦いです。
学校が大好きだった息子が、高校入学と同時にスマホを持ってから、無料オンラインゲーム、ラインなどに夢中になり、勉強どころか、不登校へまでと進んでしまいました。
 2年前は制限時間機能がスマホにはなかったので、持つ前に色々約束をしていましたが、今までにない暴言を吐き、約束を壊していきました。そして、スマホを取り上げようとすると暴力まで出るようになりました。
スマホがないなら死んだ方がまし、俺みたいなくず殺してくれとまで言いました。

 全てネットが関係していると思いませんが、手軽にどこでも何でもできるスマホを、急速に未成年の子供が持つようになりました。
親はガラ携でも子供はスマホ。親の世代で違いはあると思いますが、50代の私たちの世代の親はスマホで何ができるのか分からないうちに、子供達に与えてしまったと思います。そしてそれは恐ろしいほど、子供の興味を刺激し夢中にさせ、コントロールのつかない状態になっている子供達はたくさんいると思います。
また、若い世代ではスマホを片手に子育てをしている姿もよく見かけます。

 私も子供と同時にスマホを持ってみました。無料オンラインゲームに、ライン、通話、ツイッター、動画などなど。もし自分の高校生の時、これがあったら、自分はどうなっていたのか……。
「ネットの中で人間の欲求が全て満たせる」とネット依存の治療をしている久里浜医療センターの先生が講演で言われたのが、よくわかります。
しかし、この先、世の中からスマホがなくなるわけでもありません。もっとネットの世界は進化発展をしていくのだと思います。しかし、上手に使わないと心身の弊害が短期的にも長期的にも起きてくることは必然です。

 私たち親はもっとその事実を知り、子供達に使い方の教育を、国をあげて指導していかなければいけないのではないかと思っています。たとえ合法であっても覚醒剤のように子供の心身を壊していくほどの魔力があると思えるのです。

 今息子は多くの方々の支援を受け、少しずつ前に歩み始めています。しかし、この2年間に失ったものも大きいです。現在、スマホの使用時間は女子高校生の平均時間(1日7時間)と同じか少し多いかです。土日になると倍になります。そんなに多いのと思われると思いますが、完全な不登校の時に比べ、留年しながらも学校へ行き始めたことで、私自身の心に折り合いをつけています。
そして、この戦いはまだまだ続きます。

 15歳の少年の事件の真相はわかりませんが、環境の変化に少なからず影響を受け、戸惑い悩んだ親子の姿を重ねてしまいました。

 このような事件が起きないことを願い、またネット依存で悩んでいる方々のために少しでもお役に立てたらと思い、投稿させて頂きました。

Posted by: そらまめ | 2015年5月20日 10:51


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