東京都に見る「特別支援教室の導入」

平成28年度に障害者差別解消法が施行され、インクルーシブ教育と合理的配慮が教育の世界にも大きく広がってくることが予想されます。
そうした動きに合わせ、各地でいろいろな動きが起こっています。

東京都でも「東京都教育ビジョン(第3次)」が発表されていますが、その中で23の主要施策が掲げられています。
私どもにとっては、主要施策16 東京都特別支援教育推進計画の着実な推進や、主要施策22 地域等の外部人材を活用した教育の推進などは大いに関心のあるところです。
急増している発達障害のある児童への支援ニーズに応えるために、「特別支援教室」の導入を前提としたモデル事業が平成24年度から実施されてきましたが、いよいよ本事業となるようです。

ここで大切なのは、これまで拠点的に設置されてきた通級指導学級に子どもを通級させる仕組みから、すべての学校に特別支援教室を設置し、教員が巡回指導する仕組みへの変換です。
これまで通級支援としては、自分の学校にある支援学級の利用(自校通級)、他校にある支援学級への通級利用(他校通級)、教師が巡回しての支援の三つがありました。
理想的には自校のなかでの支援リソースの利用がよいわけですが、そうした体制が整うまでは子どもを他校に通級させるのではなく、先生が巡回して指導するというものです。
他校通級は、子どもや保護者への負担が大きく、「利用しやすく指導効果のある支援」という観点からは、改善すべき余地があったわけです。

都の採用するスクールカウンセラーとしては、臨床心理士が派遣されていますが、この度の、「特別支援教室」導入にあたっては、巡回指導教員・学級担任を助言指導する外部の専門的人材の活用が考えられています。
具体的には、臨床発達心理士が中心となり、特別支援教育士、学校心理士の各東京支部が全面的に協力する体制が進みつつあります。
心理職の国家資格化を進めている私としてはこれらの専門資格を持った有能な人材が社会的に認知される事業としても注目しています。

2015年4月15日 10:00 | | コメントを読む (2) | コメントを書く


コメント

 カズ先生、いつも、最新の心温かい専門的な情報、ありがとうございます。
 東京都の教育ビジョンにおける「特別支援教室」の導入の動きと、外部の専門的な人材の活用が検討されていること、とても新鮮で、魅力を感じました。
 私は特別支援学校のコーディネーターとして、地域の保育園や小中学校等の発達が気がかりな子どもへの支援を行っています。今、求められているのは、各学校の通常の学級で学ぶ子どもたちを支える有効なシステムだと感じています。
 東京都の先進的な動きに、私たちの県でも、関心が高まってほしいものです。厳しい予算ですが、「国の加配が付かないので通級は厳しい」と言い続けるだけでは、進展しないと思います。
 私自身、特別支援教育士として仕事をしていますが、外部人材の活用もとても魅力を感じます。本当の専門家として、親御さんや先生方の期待に添えるような力を、少しずつ身につけていきたいと思います。また、「心理職の国家資格化」の動きにも期待しています。

Posted by: まっちゃん | 2015年5月 3日 18:47


上野先生

「通級指導」を受けたいと思って学校に相談しておりますが、
子の通う学校に支援室がなく支援を受けられない状態でおります。

今後は
学校にお願いすれば支援の可能な教員の方に巡回指導などおこなって頂ける方向で東京都以外も動いているのでしょうか?

Posted by: S | 2015年8月25日 22:25


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