発達障害の理解のむずかしさ

日本の発達障害の法律的な定義には、やや曖昧さがあると言われます。
典型的なLD(学習障害)、ADHD(注意欠如/多動性障害)の場合、知的な発達の遅れはないとされますが、ASD(自閉症スペクトラム障害:一般に自閉症)の場合は、知的な遅れのある場合から高機能自閉症やアスペルガー障害といった知的遅れの無いものまで含まれるからです。

知的な遅れのある自閉症の場合は、知的障害のなかで扱ってきた経緯もあり、平成19年度からスタートした発達障害の対応では、わざわざ「知的遅れの無い発達障害」と説明したこともありました。
最近は、これら発達障害間の重複性やその軽重にも連続性のあることが知られています。

一般に、身体障害系の障害(視覚、聴覚、肢体不自由、病弱)、知的障害、そして発達障害と大きく3つに区分されますが、重複するケースもあります。どうしても保護者の方は、ご自分たちにとって受け入れやすい診断名を追い求める場合もないわけではありません。
大切なことは、お子さんの状態像とそれに対する支援のニーズを見極めることで、診断名はその理解の一部でしかないということです。

先日、大手の新聞の地方版に「発達障害の若者に仕事を」の記事があったのですが、冒頭に、小中学校の通常学級には発達障害が6.5%いるとしながら、文中では、発達障害は精神、知的の2障害と複合している事例が多いと書かれており、一流の新聞記者でもこの程度の理解なのかと驚きました。

6.5%の発達障害という場合には、これまで支援の対象になってこなかった知的遅れの無い発達障害の推定値であり、精神障害と知的障害の重複は、自閉症に限定した表現です。
LDやADHDを忘れ、自閉症だけを発達障害と誤解しているとこういう書き方になるのです。
社会で必死に頑張っているLDやADHDの方たちのなかには、こうした表現で理解されることを良しとしなかったり、傷つく場合もあるだろうと、その記事を書いた記者(記名記事)に連絡をし、あらためて理解を求めました。

状態を正確に把握し、どう理解し支援が可能かをみんなで考えていくことが大切だと改めて思いました。

2015年5月13日 10:01 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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