インクルーシブ教育と合理的配慮

来年、4月から「障害者差別解消法」が施行されます。その準備が着々と整えられています。
その背景には、「インクルーシブ教育制度」と「合理的な配慮の提供」とがあります。
これからの教育にとって、とても大切な考え方なのでご紹介しておきましょう。

インクルーシブ教育の語源、「インクルード(include)は「包み込む」という意味です。つまり障害のあるものもそうでないものも、何か理由をつけて排除したりせず、すべて人間として包み込んでいく教育を目指します。
私が障害という言葉で人間を二分しやすいなら、個性という言葉で置き換えたらどうかと主張するのもここにから発しています。でもただ一緒に、同じことをというのではなく、その人の求めるニーズによって適切で必要な支援を考えていく、これが合理的配慮です。

言いかえると、必要な配慮をどのように、その人に届けるかということが求められるわけです。先進国ではこうした理念の配慮には、二つのレベルがあって、法的な義務と努力目標という説明がされてきました。公的な組織(学校も含まれます)では、先頭に立ってその考えを実践しなければなりません。
民間の場合は、現実的な制約のなかでその方向に向かって努力する姿勢がまず求められるのです。このあたりが、よく問題になるのですが、さらに配慮にもいくつかの考え方があります。
基礎・基本となる配慮は基礎的な環境整備と呼ばれ、これは国や都道府県、市町村による環境整備で、最近は学校もこの中に含まれると考えられています。もう一つはその個人にとっての合理的配慮と呼ばれます。

ちょっとむずかしい説明かもしれませんが、世の中はすべての子どもや人を障害等によって差別される環境に置くのではなく、それぞれが必要な支援を受けて、みんなで共生する社会を目指そうとしているのです。このことは高齢者に対する考え方にも共通するわけで、けっして単なる理想論ではないのです。

次回は具体的に、入試などにおける合理的配慮についてお話ししたいと思います。

2015年6月10日 10:01 | | コメントを読む (2) | コメントを書く


コメント

先生こんにちは
先生の講演を聴いた者です。
大変勉強になり、帰ってからも
障害について、少し勉強しました。

突然ですが、新しく出来る
インクルーシブ教育制度
には、もし親が子の障害(発達)
を認めず、正しい教育が出来ずに
いた場合、その新しくなる制度で
その子供は適切な教育を受ける
事が出来るのでしょうか。

今、学校を見ていると、その子
(障害のある子)もクラスの子供達も我慢ばかりしていて、先生も
すごく頑張っているので、どうにかして、改善策がないかと、模索しています。
先生のお知恵を頂きたく思います。
親の承諾なしでは、私たちは何も
出来ないのでしょうか?

回答宜しくお願いします。

Posted by: ニコ | 2015年6月27日 10:44


子どもさんへの理解はなんといっても親が第一なのです。
その親御さんの考えが専門的に見て必ずしも子どもの権利を守っていないこともあります。
虐待などはその良い例です。
またわが子ばかりで周りの子どもの教育権を侵害する可能性のある場合もあります。
かつて、「認定就学」という制度があり、特別支援学校が適していると判断されたお子さんでも、近隣の学校で設備や人材がそろっていれば親が望めば校長の判断でそれらの学校に通うことを認める制度がありました。
しかし、十分な教育環境が無くても親の要望がかなえられるという誤解が強くなったため、制度の見直しがありました。
親や本人の要望を大切にすることはその基本条件ですが、専門家や教育側の専門意見も十分配慮し、総合的に教育委員会は決定に際し配慮するという方向です。
みんなでその子どもの将来を真剣に考え、合議していくというわけです。
時間がかかってもその子供の将来を第一に考えることで、一部の考え方(親も含まれます)だけで強引に方針を立てては、結局子どものプラスになりません。

カズ先生

Posted by: フジテレビKIDS管理人 | 2015年7月29日 11:30


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