合理的配慮と入試

インクルーシブ教育と合理的配慮という二つのキーワードが重視されていることを前回取り上げました。
今回は、その合理的配慮のさまざまな入学試験における適用についてお話ししましょう。

障害のある方に対して、入学試験やそれに続く学生生活などに対してもさまざまな配慮が実現してきております。
私自身、そうした理解推進のお手伝いをしてきました。その立場からもうすこし何が認められやすくなにが困難なのかについて触れます。

本人はもとより保護者の方のなかにも、状態を証明する責任のある専門家のなかにも、本人が求める要求は何でも認められる、配慮されると思い込んでおられる方がいます。
試験にも資格試験のような、ある一定の水準に達しているかどうかという判断をするものと、点数によって競争しなければならない選抜試験とがあります。
ひとつの配慮例ですが、試験の時間延長などは、前者の場合、いくら余裕があっても結果はあまり変わりません。しかし、後者の場合には、いろいろな解決を試みる余裕があると時間延長によって成績は変わってくる可能性があります。
また試験の内容によって、易しい問題を決められた時間のなかでどれだけたくさんできるかを見るスピードタイプの試験とかなり難しい問題を一定の時間内で解くパワータイプの試験とがあります。時間によって大きく左右されるのは前者です。こうした検査の内容によっても、配慮の効果はさまざまです。

一般的な原則は、本人の本質的な能力が、障害等によって表に出てきにくい場合、配慮(さまざまな支援)によって、その力が本当に出てくるなら、そのほうが公正で公平だということです。ヘレン・ケラーのような例がよい例です。ということは認知発達に全面的な遅れのある知的障害のある方が、考える時間をたくさんほしいというのは認められないのです。本来の力が何らかの理由によって(配慮することでカバーされるかどうか)、発揮されるかどうかなのです。

また、配慮であっても法外な値段の付く配慮やきわめて個人的な理由による配慮も、一般的にはなかなかみとめられないということがあります。現在、コンピューターによる支援をどこまで導入できるかが、大きな課題になっています。

2015年6月24日 10:02 | | コメントを読む (3) | コメントを書く


コメント

おつかれさまです。先生のお話はとても貴重でした。自分は、一人ひとりの個性はちがっていて、でも、きらきら輝いているものと信じています。ありがとうございました。お礼がいいたくてコメントしました。

Posted by: ユーカリ | 2015年6月25日 00:35


本年1月に投稿した2Eの息子の母です。留年したので、もう一度2年生をしようと頑張ったのですが、行けなくなりました。そして、またネット、昼夜逆転生活です。
以前、先生がこういう子は富士山でなくアルプスの登山をしてるようだと言われていましたが、その通りです。乗り越えても乗り越えても、新たな問題が立ちはだかり、疲れ果て、不安で死にたいという気持ちが襲います。
しかし、家族や支えてくださった方々の事を思うと死ねません。でも、それがまた負担で苦しいのです。(死なないから、死にたいという私の気持ちを許してほしいという気持ちです。)
元気に登校する高校生を見る度に涙が出ます。

寝ているか(通信しながら笑って)ゲームをしているかの息子に、「今幸せですか?」聞きました。幸せなら、もうそれで良いと思ったのです。そうしたら、「そんなわけあるか」という答えでした。

小中と知的の高さで成績がトップクラスだったがゆえに、彼の学習障害は見えにくくなっていました。集中力がなく、書字が苦手と思っていましたが、書けないわけでもなく、テストの点数も良いので、進学校へ行かせました。
繰り返し学習と提出物の多さに、学習が困難になっていったのも、不登校へつながる大きな原因の一つと思われます。
書字障害について本人に話し、高校でタブレットを使うことを検討してもらおうと話しました。しかし、生まれた時から自分はこうで書けないわけでもない。周りに理解してもらうのは難しいし、何より友人と区別されるのが耐えられないと言いました。
私が思うより、彼の凸凹の凹の部分の大きさを改めて、思い知らされています。

大検を受検し大学に行くと言いますが、勉強に取り掛かることも困難なようです。。大学受験で配慮をしてもらえるようになると聞きますが、それを本人が受け入れることさえ大変です。また、大学へ行っても同じようなことが起きないか心配です。

スマホのオンラインゲームを始めてから2年半、ゲームを引き離なそうと戦ってきました。ほかの事なら何でもOKでしたが、ゲームだけは良くないと思っていたのです。(不登校がなければまだよいのですが)
最近はゲームの技術、実況解説の上手さを知り、これが彼の特性を生かせる事なら、しかたがないのかと思うようにしています。
このことが生きる道、仕事へつながっていってくれることを、願って少し見守ることにしました。

しかし、書字障害をカバーする手法を身につけさせないといけませんし、大学もどこが彼に合っているか検討しないといけません。何かアドバイスがあれば教えてください。
よろしくお願い致します。

Posted by: そらまめ | 2015年9月14日 11:06


同じです。
集中力がなく、ノートを書きません。テストだけかろうじて読める字を書きます。成績はふつうです。テストのときだけは頑張って書くので、書けるのに書かないだけと思われていると思います。

字を書くことが本当に大変であることを、みんなに理解していただけたら学校でも過ごしやすいのに・・と思います。

思っているよりも字を書くのが困難な子はたくさんいるのかもしれないと最近思います。たくさんに人に知ってもらいたいです。

Posted by: お月さま | 2015年10月13日 19:18


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