Q&Aから その1

高校生の娘さんをもつお母さんからのご相談を受けた。Aさんとしておこう。

1000g以下の超低出生体重で生まれた娘さんは高校生。
幸い、障害もなく、ゆっくり育てようと心掛けてこられたが、中学生から成績が気になりはじめ、高校受験を目の前に、少々焦りを感じ、中2頃から親がつきっきりで勉強を見たという。
なんとか中高一貫の高校に編入したのだが、学習についていけず、数学、英語の成績が特に悪く、授業中、学校の先生が何を言っているかわからないと言って帰ってくることもあったという。
親と勉強をしているときには、教科書を読み説明すると、イメージを膨らませながら記憶していく力もあり、歴史などは、様々な人物とその背景なども説明できる。
ただ、数学の計算や、英単語を覚えることが苦手で集中力が続かず、ミスも多くなってしまう。日常生活では、部屋の整理整頓がまったくできず、きれいなものと汚いものの区分けが難しいようで、服などが山積みになってしまうこともあったという。
友人関係についても中高一貫の高校に編入したため、なじめず、親しくしている友人もおらず、休み時間は一人で過ごすことが多いそうで、高校に入ってから笑ったことがないとも話すこともあったとのこと。
LDではないかと、本人の希望もあって、大学の発達外来を受診し、心理検査や脳磁図検査、MRIなどもしたが、明確な回答はなく、「注意欠損というよりは集中しすぎる傾向がある」とだけ言われ、診察は終了し、結局サポートはないままの状況。
どのように今後サポートしていけばいいのか悩んでおられるという相談でした。


【カズ先生の見立て】
医学の進歩は素晴らしいですね。1000g以下で生まれた赤ちゃんでも見事に育つのですから。
ただ、親御さんはどれほど心配し、どれほどていねいに育ててこられたか、手紙の端々から感じ取れました。
出生時の負担が、お子さんの発達にどのような影響があったのか、それは分かりません。むしろここまで立派に育ってこられたことをまず喜ぶべきだと思います。

本人の希望もあって医学の診断を受けられたことは正しい選択です。ただがんばらせたり、「何でもない」で済ませたりするよりも、専門家の意見を聴くことは、ご本人にとっても自分の状態や原因を正確に知り、支援の方策を自ら考えていくにはよいはずです。
ただ進歩の著しい現代医学でも十分わからないこともあるようですね。心理検査もされたそうですから、医学と心理学の連携のなかでの総合的な判断が必要です。
お母様が心配されているように、全体的遅れよりも部分的な遅れというか、LDによくみられるバランスの悪さが推定されます。
今、その理解の第一歩を踏み出されたということですね。
いろいろ指導にも工夫をされておられ、学び方に特徴が感じられたので、近くの信頼できるLDのある子どもたちをよく見てこられた専門家をご紹介しました。

2015年7月 1日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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