合理的配慮の浸透

 この4月から「障害者差別解消法」が施行され、その影響は徐々に教育界にも浸透してきています。

 すべての子どもが分け隔てなく教育の恩恵を受けることは当然ですが、それぞれの子どもにとって必要な個別的かつ合理的な配慮が用意されなければならないということも大切です。

 先日、私が関係している学校区で巡回をしていた時ですが、黒板の字を上手にノートに写せない子どもがいました。
 原因としては、眼球の運動が滑らかでなかったり、黒板で見て覚えた記憶を、ノートに写そうとする間に思い出せなくなってしまったりということがあると起きます。このような特徴があると板書をノートすることが結構難しくなります。そしてこうした困難は気付かれにくいのです。
 そうした特徴を見抜いた担任の先生が、iPadで写真を撮り、机の上でiPadとノートを左右に見ながら生徒にノートをとらせていました。
 機材を利用するというこの学校自体の教育が進んでいることが、このような支援を可能にしています。そして、クラスの子どもたちが、仲間が受けている支援を自然に受け止めている姿が、とても好ましく感じました。

 もう一つ。
 同じクラスなのですが、高機能の自閉症のお子さんがいて、集中するのに疲れた時に、先生の机のそばに彼用のブース(コーナー)が設置してあり、そこで勉強をすることが許されていました。
 それが彼の特徴なのです。
 彼自身がその場所を、「スーパーシート」と名付けていて、勉強が集中してできない仲間に「あそこで勉強すると調子が出るから君も使ったら」とすすめたというエピソードを先生から聞きました。


 学校ではみんな同じことをするという伝統的な固い約束が強調されすぎており、発達障害のような個性的な子どもたちにとっては、かなりきつい場合があります。勝手気ままな行動を許すというのではなく、そうした行動をどこまで特別に認めるかというクラスの雰囲気作りが大切なのです。

 一人一人の個性を尊重するということは、そうした雰囲気づくりなのではないでしょうか。その上で、みんなで行動するということの大切さも教えていくわけです。
この兼ね合いこそ、子どもがお互いの個性を認め合うという成長の課題だと思います。

2016年6月29日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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