子育てのむずかしさ

 私自身、5人の子どもを育てました。
 とはいっても父親として育てに参加したのに過ぎないのですが。

 振り返ってみれば、現代の子育ては、父親といえども補助者といった役割意識では、古いと言われるでしょう。両親が働いていれば、子育ては夫婦にとってまさに共同作業そのものです。最近はそうした夫婦も増えてきていますが、それでも母親の負担はどうしても重くなります。

 戦後、核家族化の進行と共に子育ては親にだけ負担がかかったり、地域全体で子どもを見守り育てるという文化の衰退とともに、親自身が孤立化していく傾向もあるようです。子育て情報も氾濫しているわりには、親が安心して子育てができる必要な情報がうまく届いていないのかもしれません。
 結果として、親、特に母親が精神的に疲れ果ててしまうことも少なくないようです。
 子どもは親だけの所有物ではなく、その社会にとって大切な存在であるという基本が弱くなっている気もします。


 子どもの数が減少して、大きな社会的問題となっていますが、一方で、保育所などへの入所では待機児童などの増加ということも問題となっています。子育てをする環境が十分に整っていないということは、まさに行政の怠慢であり、施策の遅れであり恥ずかしいことです。

 子どもを育てる環境を豊かにしなければ、先進国の中でも子どもの数が最も減少しているというわが国の実態は国力の衰退の象徴です。女性の社会参加がその背景にあるとしても、一億総活躍社会などと声高に叫ぶなら、その基盤を作ることから始めるべきです。

 長く教育相談をしていて、家庭環境の問題から子どもに過大な影響を与えてしまっている事例に最近出会うことが多く、心を痛めます。子ども自身の問題というよりは、育てる環境や親の側の問題が反映してしまっていることもかなりあります。
 母子家庭だけでなく、父子家庭もあります。そうした環境であればなおさら、子どもにとって必要な支援をその家庭に行き届かせなくては、子ども達みんなが自立し、社会に育っていくことがむずかしいのです。
 
 子どもは親だけでなく社会全体の子どもであることを改めて強調したいと思います。

2016年11月 2日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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