童話を巡って

 教育相談の中で、よく感じることの一つは、読み聞かせの大切さです。
 無理な英才教育ではなく、寝る前のほんのひと時の読み聞かせのことです。

 どんな本がいいでしょうというご質問も受けます。
 知識をつける、文字を教えることよりも、お母さん自身が読んで楽しい本、子どもが読んでもらいたがる本でいいのです。
 買えば結構高いものですが、近所の図書館でいろいろ借りてくるのも賢い方法です。
 読み聞かせの最大の効用は、読み手との間の信頼感や共有感が育つことかもしれません。


 自分自身が知っている絵本や童話を久しぶりに読むのも楽しいものです。
 私自身、時々泊まりに来る3歳の孫に「読んで、読んで」とせがまれると、そうした本を読んでやることがよくありますが、自分にとってもうれしい時間です。時には、絵本なしで「桃太郎」から「柿太郎」、「リンゴ太郎」に変化することもあります。


 ところで、戦後、童話に大きな変化がありました。子どもに悲しい話や怖い結果を教えないほうが良いという考え方です。
 確かにおどろおどろしい話よりも、やさしさやあたたかい話のほうが、教育的には情操的によいと強調されました。
 
 幼子に、糊をなめた雀の舌を切る『舌きり雀』や、おばあさんの敵討ちでやけどをさせたり、最後に泥船で沈めてしまう『カチカチ山』などは、その主張も分からないではありません。

 しかし子どもの成長を見ていると、大人の一方的な考えばかりでなく、ときにはそうした話でも、子どもは子どもとして受けとめていく力があるのかなと考えるときもあります。
 最期に仲直りをさせることも大切だとはわかりますが、『人魚姫』や『幸福の王子』など、あの悲しさが逆に、幸せというものを強く教えるという気がします。

 発達期にもよりますが、なんでもお砂糖でまぶしてしまうのは、子どもの感じ取る力を見くびっているのかもしれないとさえ思います。

 皆さんはどうお考えになりますか。

 それにしても子どもから大人まで夢中になるゲーム類は、どうしてあんなに戦いものばかりなのでしょう。
 何かの反動なのかなと思ってしまうことさえあります。

2017年2月15日 10:00 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


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