セサミストリート

 セサミストリートという名のアメリカの子ども向け番組を皆さん知っていると思います。

 「セサミストリート」は、「子どもは社会全体の宝」「子どもの可能性がすべてに優先する」という理想のもと、子育て支援や教育に関する啓発や意識改革を行っていくことを目的に、1969年アメリカで誕生して以来、半世紀もの長い間150以上の国と地域で愛され続けてきた教育番組です。

 世界中に大きな影響を与え続けており、わが国でも、1973年から放映された「ひらけ!ポンキッキ」も「子どもに良質な知的刺激を!」という日本発の同じ主旨の番組でした。

 幼児の早い発達の中で、時代に即した良質の文化を提供していくことはなかなか大変なことです。ただ子どもが喜ぶだけでなく、そこで触れ合い、育てた知識、情緒が子どもの知的育ちの土台(プラットホーム)となることを願っているわけです。

 子どもたちの周りにあるゲーム類が、闘いを中心としたロールプレイングゲームが多いことを憂います。それだけに豊かな情感を育てることの大切さをいまさらながら強く感じます。


 ところで私自身、発達臨床心理学を専門に仕事をしてきましたが、近年、発達障害のある子どもたちへの支援教育が大きく拡充してきたことに手ごたえを感じてきました。そうした動向の中、本年3月、「セサミストリート」に新しいマペット(人形)が加わったというニュースを耳にしました。

 それは発達障害の一種である自閉症のある女の子でジュリアです。ジュリアは、赤毛でお気に入りのうさぎのぬいぐるみを持っています。2年前初登場したのですが、今回、レギュラーの座を得ました。

 小さなニュースかもしれませんが、発達障害が子どもたちの通常の環境の中で、特別なものではなく、ごく一般的なものとして認知されだしたということでは画期的なことで大きなニュースなのです。

 ダスティン・ホフマンが知的発達レベルの高い自閉症を演じた「レインマン」という映画が30年前に話題となり、いまだに多くのファン(私もその一人ですが)がいるのですが、人間の文化のなかで、彼らもまた素晴らしい人間なのだというメッセージこそ、共生社会の具体例なのではないでしょうか。

2017年6月 7日 10:00 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

上野先生
ご無沙汰しております。
東京学芸大学の岩立です。
先生の記事を共感しながら読んでおります。
ただ、幼児期から小学校教育の実際にかかわっていて、発達障害のある子どもたちへの支援教育が概念的には広まってきたけれど、まだまだ、拡充してきたとはいえない現実があることを実感しております。
ご相談させていただきたいことがございます。
上野先生のお弟子さんで、梅図さんという方がいらしゃったと思いますが、その方は、どこかのクリニックなり病院などとかかわりがあるでしょうか。
先生はお忙しいでしょうから、先生のお弟子さんに小学校2年生の男児の発達についてご相談させていただきたい件がございます。
押さし使えなければ、梅図さんの連絡先を教えていただけませんでしょうか。
岩立京子

Posted by: 岩立京子 | 2017年6月16日 11:29


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。