算数の障害(推論)

 LDは「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」能力のどこかに苦手なところを持つのが特徴といわれます。

 今回は6つの基本能力の最後「推論」です。


 わが国の小学校では、(1)数と計算、(2)量と測定、(3)図形、(4)数量関係が基本的な4つの算数領域といわれます。

 LDの世界では、四則演算、つまり計算と論理的思考を算数の基本と考えます。
 論理的思考はあらゆる教科で必要としますが、算数や数学では、筋道を立ててきちんと考えることが、何よりも必要とされるからです。
 そこで、「推理」という概念が登場するのです。

**********************************************************************

 LDの子どもを見ていると、前回お話しした「計算する」ということがうまく定着しない子どもがいます。
 多分、基本的に数というものの仕組みがすっきりと頭に入っていかないのかもしれません。
 一方、計算はやたら早く、得意なのに、論理的思考、つまり文章題などを読んでの立式が苦手な子どもがいます。
 読みの理解が絡んでいる場合です。

 日本の親御さんは、計算ができる子どもは算数が得意だと思いちがいをしやすい方がいます。
 もちろん計算を容易に習得する子どもは他の算数領域も得意とすることが多いのですが、逆に計算はできるのに、文章題とか、式を立てる、いわゆる立式が極端に弱い子どもがいることにはあまり気がつきません。

 LDの中にいる、「推論」の弱い子どもというのはこうしたタイプを言います。

 大切なのはこのような特徴をもつ子どもがいるということを知ることから始まります。
 「できるはず」「わかっているはず」という理解は、子どもにはとてもつらいのです。
 苦手さをもつ子どもは日常場面でも、手順を考えることが苦手かもしれません。
 ですから、その弱さを理解した上で、手順をよりていねいに時間をかけたり、図に描いて納得させたり、確かめの仕方を教えて一歩一歩正解に近づくやり方を教えなければなりません。

 やみくもに足したり引いたりして、答えらしきものを出して、当たった、外れたというやり方は積み上がりません。
 心理の専門家は、そうした手順を覚える能力、学習を定着させる能力(短期記憶、特にワーキングメモリーなど)を知能や認知テストで調べようとします。


 学習のつまずきや習得にはさまざまな道があり、自信を無くすとどんどんできない、苦手という気持ちが増えていってしまいます。

**********************************************************************

 私たちは、「私たちの教え方で学べない子どもには、その子どもの学び方で教える」という言葉を大切にしています。
 そうした子どもの特性をよく見て指導するのはLD理解の基本なのです。

2017年11月 1日 13:29 | | コメントを読む (0) | コメントを書く


コメントを投稿する

ブログの管理者が公開を承認するまでコメントが反映されない場合がありますので、ご了承ください。 また、投稿されたコメントはフジテレビKIDSが企画・制作する映像物や出版物、ウェブサイト、広告宣伝などで利用させていただく場合がありますのであらかじめご了承 ください。