よい話

 「よい話と悪い話があるのだけれど、どっちから話そうか」

 「よい話から」というのはよくあるセリフですが、前回の話が後者だとすれば、今回は、特別支援教育にまつわる「よい話」です。


 2017年に我が国の特別支援教育は、法律的にも整えられ、大きくそのスタートを切りました。
 私はいくつかの行政区の仕事を手伝っていますが、私が育った都下の渋谷区は「発達障害のある子どものモデル地区にしよう」という掛け声のもと、区長、教育長をはじめ多くの方々の理解の中、着々とその先進実績を積み上げてきています。
 トップの方が代わった今も、その精神は脈々受け継がれていっています。


 今回、矢継ぎ早に、良いニュースが耳に届いてきました。

 その一つは、Word文書を読み上げるソフト「WordTalker(ワードトーカー)」を渋谷区の全小・中学校に1人1台導入というものです。

 説明によれば、
 「渋谷区では、ICT教育を推進する一環で、全児童・生徒に1人1台のタブレット端末を導入し、すべての端末で誰もがWordTalkerを使用できるようにした。これは、読み上げやふりがな等の基本的な機能を必要とする特別支援教育においてICTを活用するためだけでなく、通常学級に潜在する読むことを苦手とする児童・生徒の学習を手助けするのに役立つと判断した」ということです。

 もう一つは、
 現在の学校教育で対応が難しい子どもたちの力を引き出すため、日本財団と東京大先端科学技術研究センターによる共同事業「異才発掘プロジェクト」を、渋谷区も9月から始めたというニュースです。


 私自身、8年以上、発達障害のある子どもたちをどのように支援するかという専門委員会(現在、特別支援教育支援検討委員会)を行政、学校、そして医学・心理学の専門の皆さんと努力してきたのですが、こうした新しい動きは、子どもたちを具体的に支援する具体的な受け皿というか、選択肢を増やすものであり、長年の思いが確実に結実してきたことを実感するものです。

 先進例を作っていくことは、必ず、私たちの地域でもと、多くの方々を勇気づけるよい例になると信じたいのです。

2017年11月29日 10:00 | | コメントを読む (1) | コメントを書く


コメント

 カズ先生、こんばんは。私は、特別支援学校のコーディネーターとして、地域支援の仕事をしています。いつも分かりやすい、貴重な情報を教示いただいて、ありがとうございます。
 先生の「日暮れて道遠し」のお話を読んで、調査委員会の報告書(要約)を検索して、読んでみました。私たち教育関係者は、この報告や提案をしっかりと受け止めて、もう一度、原点に返って、指導や支援のあり方を見つめていきたいな、と感じました。
 先生が、シリーズで、「聞く」「話す」「書く」「算数の障がい(計算)(推論)」と、分かりやすく、学習面での困難さについて取り上げてくださいました。私は、検査結果等の報告書に生かして、支援会議において先生方や親御さんに分かりやすく説明する上でも、とてもありがたかったです。また、先生のホームページの紹介もしています。
 私にも良い話がありました。よく訪問している学校で、忘れ物の多い生徒が、ある教科の先生に強く注意され、その教科があるときは登校を渋るようになったそうです。学年において「この生徒にはそのような指導は合わないのでは?」と先生方が相談され、先生も関わり方を変えたところ、登校渋りがなくなったそうです。私は、この話を聞いて、とてもうれしく思いました。
 一つ一つのケースに対して、子どもさんやご家族のこと、先生方のことを思い浮かべながら報告書作りに悩み、支援会議に臨んでいます。でも、教員として、学校に入って、心理検査ばかりではなく、授業を参観したり、先生方から話を聞いたりして、未熟な自分自身が学び続けられる魅力も感じています。
 「LD先生の子育て相談」のコーナーをお休みされるのは残念ですが、また、再開されるのを楽しみにしています。本当にありがとうございました。

Posted by: k | 2017年12月11日 00:20


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